茨城症候群

 

ぬいぐるみ

  • 2008年5月 9日 23:56

ぬいぐるみに神様が宿る話

  • ある日、もう僕が幼い頃に貰った熊のぬいぐるみを御炊き上げして貰うために神社へ行くと、突然ぬいぐるみが喋り始めました。
  • 「捨てるな、捨てないでくれ」と聞こえたものの、これは僕にしか聞こえていないようでした。
  • ぬいぐるみから聞こえてくる声は「俺はお前の神様だ、捨てるなんてとんでもない」と言い張るので、それじゃ神様であるという証拠を見せろと言いました。
  • すると「何でも三つ、三つだけ願いを叶えてやろう」とぬいぐるみは言います。
  • 嘘に違いない。試しに僕はペットボトルのお茶をコーヒーにするように言いました。
  • ぬいぐるみは日本語ではない言葉を二言三言呟いた後、飲んでみろと言うので飲んでみると、お茶はコーラになっていました。
  • 「これはコーラじゃないか」と馬鹿にして言うと、「コーラもコーヒーも尿になりゃ同じだ」とぬいぐるみは逆上して怒り始めました。酷い神様です。
  • ぬいぐるみは「疑うんじゃ仕方がない、もうあと二つの願いは聞いてやらない」と拗ねてしまいました。あと二つの願い……、僕は考えました。
  • 「僕をイケメンにしてくれ」
  • つづく
 

某氏の日録

  • 2008年5月 8日 23:56

大正十二年五月五日

あの家の人々は、矢張りをかしい。何處か普通であつて然る可き點が、普通ではない。

今日などはまるで何か惡いものにでも取り憑かれたかのやうに、旦那も奧さんも子供も、皆、踊り狂つてゐた。昨年生まれたと云ふ赤ん坊の初めての端午の節句であるから、御祝ひであることには慥かに間違ひないのだけれども、其れにしても騷ぎ過ぎてゐる。大の大人が、あの樣に馬鹿騷ぎをするものではない。

呼ばれたものだから仕方が無く私はあの家へ行つたのであつて、呼ばれなければ決して行くことは無かつただらう。そもそも私はあの一家とは出來れば關はりたくないのである。人を使はせるだけ使はせておいて、自分は遊べるだけ遊んでゐる。あれが金持ちの性分なのだらう。金持ちは気に食はない。

彼の會社は、さつさと潰れて仕舞へば良い。一家揃つて路頭に迷へば良い。

大正十二年五月六日

今朝、あの家の旦那が突然訪ねて來たから何かと思つたら、昨日の御祝ひの席での私の振る舞ひに就いて文句があるらしい。「お前の笑顏は贋物の笑顏だ」と云つてぷんぷんと怒りながら、地團駄を踏んでぎやあぎやあ喚いた後、帰つて行つた。

譯が解らない。私は彼に對する底知れぬ悍ましさを感じた。

大正十二年五月七日

事情があつて、この日記も暫く書けなくなるだらう。若しやすると、此れが最後の日記となるかも知れない。

大正十二年五月八日

たうとう私もお仕舞ひだ。彼によつて、私は地獄の淵へと追ひ込まれた。お仕舞ひだ。

 

日中友好

  • 2008年5月 7日 23:42

 

借り物競走

  • 2008年5月 6日 23:55

五月と言えば、私の思い出は運動会です。たいていの学校は秋に運動会をすることが多いそうですが、私の学校は五月に運動会が開かれていました。

スタートを知らせるピストルの音が鳴ると同時に、一斉にみんなが駆け出しました。スタート地点から50メートルほど先に、借りなければならないものが書かれた紙が置かれていて、みんなは競ってその紙を目指すのです。

誤算でした。私は足が遅いということを自覚しています。だから足の速さを競う、徒競走や障害物競走などの種目には立候補せず、借り物競走に自ら進んで名乗りを上げたのですが、やはり借り物競走も足の競争なのです。他の人たちは気付けばもう私の何メートルも先を走っていました。しかし私は最後尾でも、一生懸命に走りました。

もう紙の場所に付いた人たちの様子を遠くに見ると、何やら紙を見ては捨て、見ては捨て、それを何回か繰り返していました。おそらく借り物として都合の良い条件を選んでいるのでしょう。

私はようやく辿り着くと、もうみんなは紙を持ってわいわいと"借り物"を探しに行った後で、たくさんの紙があったはずの場所にはもう紙は一枚しか残っていませんでした。はあはあと肩で息をしながら一枚残った紙をめくると、そこには、こう書かれていました。

『あなたの一番大切なもの』

私は心の中で繰り返しました。あなたの一番大切なもの……。私の一番大切なもの……。

道理でみんながこの紙を選ばなかったわけです。大切なもの。そんなものは、こんな場所、運動会の会場にあるわけがありません。

どうしよう、どうしよう。私は考えて考えて、考えましたが、何も浮かびません。大切なもの。大切なもの。お金?まさか、そんなものを借りて持って行ったら後々まで馬鹿にされちゃう。だめ、だめだ。何か他の、大切なもの。大切なもの……!

そこに、私の名前を呼ぶ声が聞こえました。声のする方を振り向くと、おじいちゃんがいました。おじいちゃんはその年に定年退職して、初めて私の運動会を見に来てくれていたのです。

おじいちゃんはとても優しくて、私の誕生日には毎年プレゼントをくれるような人でした。おばあちゃんが亡くなってからはずっと一人暮らしをしていたそうでしたから、私も気に掛けるところがあって、夏や冬の休みに入るとおじいちゃんの家に泊まりに行っていました。

おじいちゃんは、笑っていました。とても楽しそうな笑顔で、孫の私を見て笑っていたのです。

もう、これしかない。私はおじいちゃんのもとへ駆け寄りました。


優しかったおじいちゃんは、三年前に亡くなりました。ありがとう、おじいちゃん。

 

三途の川

  • 2008年5月 5日 21:54
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「君も来るのかい?」
白い川の向こう側で痩せ切ったおじさんがにっこりと微笑んでいた
僕はうなずいてぼろぼろの船に飛び乗ると
怖いおばあさんが僕を引きずり降ろした

「金が足りないよ」と囁いて おばあさんは乱暴に僕を引っぱたいた
「そんな金は持っていない」と言った僕は服を脱がされ殴られた

川が渡れないよ 困った どうすればいいんだろう
もう後ろには戻りたくない でも川を渡れない
幸せに辿り着けない焦りを感じながら
僕はひとり 寒い川辺にただずんだ ただずんだ

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