茨城症候群
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ロープ
- 2008年12月22日 19:07

「誰かが犠牲になることで誰かが幸せになるのなら、犠牲もまた幸せ」
サンタさんは笑いながらそう言って、私へ一本のロープをプレゼントしてくれました。それもただプレゼントするだけではなく、丁寧にもロープの先に輪っかを作って、窓際のカーテンレールへと結び付けてくれました。
私はサンタさんに「何に使えばいいの?」と聞きましたが、サンタさんは答えようともせずにただ笑っているばかりで、そのうち「アデュー」と明るい声を残しながら窓から飛び降りて帰って行きました。
「アデュー」
私は一人になった部屋の中で、サンタさんの別れの挨拶を繰り返しました。
そして窓際に垂れ下がっている、サンタさんがプレゼントしてくれたロープを見つめながら、私は思いました。
子供の頃は、サンタさんはこんなロープじゃなくて私の欲しいおもちゃをプレゼントしてくれたのになあ。でも、それだけでも良かったのかも知れない。だって、いつからかサンタさんはプレゼントさえしてくれなくなったんだから。
こんなロープ一つでも、私は貰えただけ幸せなんだろうなあ。
とは言っても、ロープが窓際に垂らされているだけではどうしようもありません。少なくとも、私にはそのままではロープの使い道が思い付きませんでした。
サンタさんがせっかく結び付けてくれたロープでしたが、私は爪を立てながらほどくと、直線上になったロープの両端を持って考えました。
何かの荷物をまとめるもの、命綱など、あれこれと用途を思い付きましたが、長さといい強度といい洗濯ロープがぴったりでした。
それから、サンタさんがプレゼントしてくれたロープは洗濯ロープとしてとても役立っています。初めこそおかしなプレゼントだと思いましたが、ものは使いようなのでしょう。
またあの時のサンタさんが来てくれたら、素敵なプレゼントをありがとう、とお礼を言いたいと思います。
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