茨城症候群

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穴の中

  • 2008年3月23日 17:01
  • UFO

「ひひひっ、この穴の中で、あんたが落ちてくるのをずっと待っていたんだよ。落ちてこないか、落ちてこないか、そう思いながらもう何年も待ち続けた甲斐があったよ。それで今、こうしてやっと落ちてきてくれた。ひひひっ、ひひひっ」

「お、俺をどうしようって言うんだ」

「ひひひっ、そりゃこれからのお楽しみだよ。実を言うとね、私も知らないんだよ。あんたの運命は、誰も知らない。煮て焼かれるか、茹でて炒められるか。全ては時の気まぐれ次第、全ては時の気まぐれ次第。ひひひっ、ひひひっ」

「ひぃっ、やめて、やめてくれ!出してくれ、俺を今すぐここから出してくれ!」

「ひひひっ、そう焦らなくても、じきに出られるさ。もちろん、今と同じ身体で出られるかどうかは知らないけどね、ひひひっ。じたばたしてもしなくても同じなんだから、まあせいぜい大人しくしていることだよ。ひひひっ」

「嫌だ!死にたくない!俺はまだ死にたくないんだ!出してくれ、ここから出してくれ!」

「ひひひっ、あんたも諦めの悪い五月蝿い奴だね!壁をそんなに叩いたって、誰も助けに来てくれやしないさ。ここはね、あんたの落ちてくる前の次元空間とは別のところなんだよ。どんなに大声を出したって、どんなに強い電波を出したって、あんたの家族やお友達には届かないよ。物理的に完全に隔絶された空間なんだから。私とあんたはここで二人きり。ひひひっ、ひひひっ」

「わっ!やめてくれ!俺に、俺に触らないでくれ!」

「ひひひっ、今から儀式を始めるんだよ。神聖な儀式さ。あんたも山本家の人間なら、分かるだろ?山本家のしきたりを、知っているんだろ?」

「し、しきたり?俺はそんなの知らないぞ。だいたい何で俺の名前を知っているんだ?」

「おやおや!山本家は私との決まり事を忘れてしまったようだね、ひひひっ。あんたも可哀想な奴だ。運命を恨むんならご先祖様を恨むんだね。私との大事な大事な約束を破った、極悪非道なご先祖様をね。ひひひっ」

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