茨城症候群
Home > holy shit
holy shit
- 2007年5月31日 23:30
私はメソポタミア文明の起源について思いを馳せることが好きなのです。果たしてメソポタミア文明はどのようにして生まれ、発展し、他の文明に影響をもたらしたのか。メソポタミアの歴史についてあれこれと考察するだけでも、私は幸せでいられるのです。あっ、アリを踏んでしまいました。可哀想なことを…。
古くからメソポタミアでは農耕が盛んだったと言われています。チグリス川・ユーフラテス川に挟まれたメソポタミアの地は、土地に気候に恵まれ、まさに農耕に適した地であったのです。しかしその反面、数多くの勢力がその豊かな土地を巡り、争いを繰り広げていきました。あっ、またアリを…。この時期はアリが多くて困ります。踏みたくもないのに踏んでしまうのですから、私にとってもアリにとっても不幸というものです。
きっと自転車に乗ればいいのでしょう。アリを踏みつぶす瞬間も見ずに済みます。…やはり自転車は気持ちがいいですね。何より楽です。一漕ぎするだけで、歩くよりも遙かに効率良く前へ進むことができるのですから。
メソポタミアの地域は、現在で言うイラクなのですが、メソポタミア=イラクの歴史は古代から現在に至るまで争いの歴史と同義でありました。古くはその土地と文明の技術を、昨今では世界有数の石油埋蔵量を持つ油田地帯を巡り、その当時当時の覇権国家の侵略の対象となりました。ああっ!アリを車輪で踏みつぶしてしまいました。アリに気付いた時は、避けるにはもう遅すぎるのです。仕方がありません。自転車とアリの運命です。
果たして現在、イラン-イラク戦争、湾岸戦争、イラク戦争を経て、メソポタミアの地は混乱の最中にあります。この混乱の責任がどこにあるかについては、誰の目にも明らかと言えるでしょう。彼らがこの文明発祥の地にもたらしたのは、安定でも平和でもなく、深い混乱のみなのです。ですからこの混乱を収めるには、人によっては駐留軍の撤退が最も妥当だと言いますが、私は…。またです。アリにはもう懲り懲りです。私はアリが憎いわけではありません。もちろんただ轢き殺したいわけでもありません。アリが私の行く先をのんびりと歩いているからいけないんです。もっともアリからすれば、彼らの行く先を私がものすごい勢いで突っ走るからいけないのでしょう。要は立場の違いです。どちらが悪いというものでもありません。
ゴキブリの例でも同じことが言えます。ゴキブリは人間を脅かしたくて気味悪がらせたくて、人間のいる所へその黒光りする身体を見せびらかしに出てくるわけではありません。ただ姿を現した場所が、人間のいる場所だったというだけなのです。それを私たちは気持ち悪いだの汚いだのキャーキャー言いながら、スリッパで叩いたり化学物質を噴霧したりして殺すのです。ゴキブリも不幸ですが、人間も不幸であると言えましょう。互いに相容れない存在がひとたび同じ場所へ鉢合わせる現実は、双方にとって不幸極まりないものであるのです。
アリと私にとって一番の解決策は、私とアリとの接点をなくせばいいのです。ですから私は今からバスへ乗ります。バスでなら、私自身がアリを踏みつぶすこともないのですから。…バスに揺られてみるのも、たまにはいいものです。料金こそ掛かりますが、体力を使うこともない、自転車よりも楽なものです。
さてメソポタミアですが、私は例え今現在駐留している兵力が撤退したとしても、また新たな混乱の波が押し寄せるのではないかと憂慮しています。もちろん撤退できればそれが一番の善策なのでしょうが。大量破壊兵器がどこにも見つからなかったといいますから、そもそも…。いや待って下さい、私は今バスに乗っています。突然思い付きましたが、アスファルトの上をアリが歩いていたとしたら…。おそらくバスは、私が自転車でアリを踏み潰すよりも、さらに多くのアリを轢き殺しているのではないのでしょうか?バスであれば私はアリの踏みつぶされるのを見なくて済みますが、自転車との違いは単にそこだけで、実際はアリを踏みつぶすことに何の変わりもないのではないのでしょうか?
今こうして前を進んでいるバスが、アスファルトの上を歩くアリを、時速60kmで踏みつぶしているのかも知れない…。そう考えると、そんな訳がないとはとても思えなくなりました。ああ、きっとタイヤが真っ黒なのも、タイヤがアリを踏みつぶしてその色を吸い込んでいるからに違いありません。そして今、アリがまた踏みつぶされている。バスが、何十匹、何百匹というアリを、踏みつぶし、轢き殺している…。そしてそのバスに、私が乗っている…。私が乗るバスが、アリを、アリを…!
「もう限界です、運転手さん、バスを停めて下さい、ここでバスを停めて、私を降ろして下さい!」
「今すぐそんなことできるわけないでしょう、走行中ですからみだりに話し掛けないで頂けますか」
全く酷い運転手です。金さえもらえれば乗客なんてどうだっていいのでしょう。こういう融通の利かない人とは話にもなりません。私は走行中のバスの窓を開け、飛び降りました。もうアリを踏みつぶす苦悩に縛られることもありません。
私は自由になったのです。
- Newer: daigakusei
- Older: にんげんっていいな
Home > holy shit